しらさぎプロジェクト大学開放特許データベース(単願&発明者検索)

研究者詳細情報
研究者 小林 栄治
大学 富山大学 医学部医学科
研究室名
専門分野 免疫学
研究テーマ 抗原特異的T細胞の1個1個からT細胞のセンサーであるT細胞受容体遺伝子をクローニングし,その遺伝子の抗原特異性を評価するまでを10日間という極めて短期間で行うシステムを確立した.このシステムを用い,新たながんや感染症の治療法の開発を行っている.
検索キーワード
PR URL
PRタイトル名
PR詳細文 (図)
特許

出願番号:2014-007576 / 特開番号:2015-133938 / 登録番号:6508873

抗原特異的T細胞受容体の取得方法

【課題】偏りのないTCRレパートリーを分析するだけでなく、抗原特異的TCRα/βcDNAペアを回収でき、それらの機能を評価することも可能にするTCRクローニングシステムを提供する。

【解決手段】1)抗原aに特異的なT細胞を含むT細胞群を抗原提示細胞で刺激する工程;2)抗原aに特異的なT細胞を含むT細胞群から、抗原aに特異的なT細胞を特定して1個ずつ容器へソートする工程;および3)容器内の1個の活性化された抗原a特異的T細胞をPCRに供して、抗原aに特異的なTCR遺伝子を増幅する工程を含む、抗原aに特異的なTCR遺伝子の製造方法を提供する。本発明により、従来の方法より短期間で目的のTCR遺伝子がクローニングできる。(図1)


出願番号:2014-110963 / 特開番号:2015-223143 / 登録番号:6425301

TCRの細胞傷害活性誘導能を評価するためのNK細胞株、およびその作製方法

【課題】TCR遺伝子の細胞傷害活性誘導能を評価する方法を提供する。

【解決手段】NK細胞株に由来し、CD3鎖をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入されており、TCR遺伝子が導入されたときにCD3-TCR複合体を細胞膜上に形成可能である、TCRの細胞障害活性を評価するための、細胞株を用いる。由来するNK細胞株は、好ましくはKYHG-1、KANK-1、NK-92、NKLまたはNK-YSである。発現カセットは、好ましくはCD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子が各々2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで連結されたものであり、細胞株にはさらに、IL-2遺伝子が発現可能に導入されていることが好ましい。


論文

Retroviral vectors for homologous recombination provide efficient cloning and expression in mammalian cells.

Kobayashi E, Kishi H, Ozawa T, Horii M, Hamana H, Nagai T, Muraguchi A.

Biochem. Biophys. Res. Commun. 2014年02月


A novel system for cloning human TCRs: Cutting short the way to TCR-based anticancer therapy.

Kobayashi E, Kishi H, Muraguchi A.

Oncoimmunology. 2014年01月


A novel cloning and expression system yields and validates TCRs from blood lymphocytes of cancer patients within 10 days

Kobayashi E, Mizukoshi E, Kishi H, Ozawa T, Hamana H, Nagai T, Nakagawa H, Jin S, Kaneko S and Muraguchi A.

Nat. Med. 2013年11月


Cleavage of the interchain disulfide bonds in rituximab increases its affinity for Fcgamma RIIIA

Suzuki M, Yamanoi A, Machino Y, Kobayashi E, Fukuchi K, Tsukimoto M, Kojima S, Kohroki J, Akimoto K, Masuho Y.

Biochem. Biophys. Res. Commun 2013年07月


The binding affinity of a soluble TCR-Fc fusion protein is significantly improved by crosslinkage with an anti-Cβ antibody

Ozawa T, Horii M, Kobayashi E, Jin A, Kishi H, Muraguchi A.

Biochem. Biophys. Res. Commun 2012年06月


科研費

次世代チップT-ISAACを用いたジカ熱、エイズペプチドワクチンの開発

基盤研究(B) 2017-04-01 ~ 2020-03-31


革新的細胞チップ技術を用いた感染症に対する個の免疫医療の創成

基盤研究(B) 2014-04-01 ~ 2017-03-31


新規T細胞受容体単離システムを応用した慢性肝炎治療用ペプチドワクチンの開発

若手研究(B) 2012-04-01 ~ 2014-03-31

本研究では我々が独自に開発したT細胞受容体(TCR)遺伝子クローニングシステムを用い、C型肝炎ウイルス(HCV)特異的TCR遺伝子の網羅的なクローニングを行い、エピトープに対するそれぞれのTCRの親和性を解析する。 HCVの構成タンパク質について計90個の抗原候補ペプチドを予測した後、慢性肝炎患者でHLA-A24陽性患者10人の末梢血リンパ球を上記ペプチドカクテルで刺激し、活性化するCD8+T細胞を検出した。その結果、4人の患者から活性化したCD8+T細胞が検出された。今後はこれら活性化したCD8+T細胞からTCRのクローニングを行い、クローニングしたTCRの親和性比較を行う。


がん治療へ向けた腫瘍特異的T細胞の超迅速検出・取得法の開発

萌芽研究 2012-04-01 ~ 2014-03-31

がんに特異的な細胞障害性T細胞(CTL)を効率良く見つける方法を開発できれば、がんの免疫療法に寄与することができる。我々は、これまでに、リンパ球がちょうど1個入る大きさ・形状の微小ウェルが約25万個規則正しく配置されたマイクロウェルアレイチップを用いて、チップ上で抗原ペプチド刺激に反応しサイトカインを分泌する細胞を、単一細胞レベルで検出することにより、抗原特異的T細胞を検出するシステムを開発した。本研究をさらに発展させることで、頻度の低い、がん特異的T細胞の検出、TCRの取得などに大きな力を発揮し、がんの免疫療法の発展に寄与できると期待される。