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研究者詳細情報
研究者 杉山 敏郎
大学 富山大学 医学部 医学科
研究室名 大学院医学薬学研究部 先端生命医療学域
専門分野 消化器病学、腫瘍内科学、消化管分子生物学、H.pylori、IBD、GIST
研究テーマ
検索キーワード
H.pylori / アポトーシス / HELICOBACTER PYLORI / 胃癌 / 細胞透過性 / 由来臓器悪性度 / NF-κB / NSAIDs / Nod2遺伝子 / 再生上皮 / regeneration / H.pylon / Collagen gel / Helicobacter pylori / intestine / GIST / ヘリコバクタ・ピロリ / c-kit遺伝子 / 胃潰瘍 / NCAM / TYPE 4 SECRETION MACHINERY / TPR-MET再構成 / neural cell adhesion molecule / 腸上皮化生 / GASTRIC CANCER / Carcinoembryonic antigen / HEAT SHOCK PROTEIN / NF-kB / API2-MALT1 chimeric transcript / gastric GIST / 胃がん / Heat shock protein / GASTRITIS / HELICOBACTER PYLOR / 胃マルトリンパ腫 / ワクチン / stomach / GIST / VACCINATION / 外膜蛋白 / CATALASE / Gastric MALT lymphoma / CARD15 / ADHESION / Differentiation / 胃上皮細胞 / API2-MALT1遺伝子転座 / NF-kB activation / TRPV4 / H.Pylori / 小腸潰瘍 / c-kit / Gastritis / OUTER MEMBRANE / gastric ulcer / 接着 / Adhesion molecule / ヘリコバクター属 / クローン病 / カタラーゼ / H^+,K^+-ATPase / DNAアレイ / intestinal GIST / 4型分泌機構
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PRタイトル名
PR詳細文 (図)
特許

出願番号:2007-074807 / 特開番号:2008-189648 / 登録番号:5250812

ヘリコバクター・ピロリ菌由来の新規抗原、抗原組成物およびピロリ菌抗体の検出方法。

【課題】日本人、さらにはアジア人の血清中のヘリコバクター・ピロリ抗体に特異性の高い抗原蛋白質を含有する抗原組成物を提供すること。

【解決手段】ヘリコバクター・ピロリ菌を、アルキルグリコシド系非イオン界面活性剤を含有する緩衝液で処理し、可溶化された抽出物を、ゲル濾過クロマトグラフィーに供し、高分子画分を得、該画分を濃縮・脱塩して得られる、等電点及び分子量に基づく二次元電気泳動で81kDa~125kDa間に3つ以上に分離される蛋白質であって、CagAの一部を含む抗原組成物。


論文

(1)Progress in new diagnosis and therapeutic strategy for Gastrointestinal malignancy

Sugiyama T

Digestion 91 7 - 12 2015年01月


(2)Frequent involvement of chromatin remodeler alterations in gastric field cancerization

Sugiyama T

Cancer Letter 357 328 - 338 2014年


(3)Synergy of Myc, cell cycle regulators and the Akt pathway in the development of aggressive B-cell lymphoma in a mouse model

Arita K, Sugiyama T

Leukemia 28 2270 - 2272 2014年


(4)Integrated analysis of cancer-related pathways affected by genetic and epigenetic alterations in gastric cancer

Sugiyama T

Gastric Cancer 2014年


(5)Role of Transient Receptor Potential Vanilloid 4 activation in indomethacin-induced intestinal damage

Yamawaki H, Sugiyama T

Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 307 G33 - G40 2014年


科研費

(1)NSAIDs小腸潰瘍の初期病変に関連する標的分子TRPイオンチャネル

基盤研究(C) 2015-04-01 ~ 2018-03-31

1)マウス小腸上皮細胞、ラット小腸上皮細胞株IEC-6のTRPV4 mRNAおよび蛋白発現:C57BL6野生型マウスおよびラット小腸上皮細胞株IEC-6におけるTRPV4 mRNA発現をRT-PCR法により確認後、蛋白発現をウエスタン法および免疫染色法により検討した。免疫染色の結果、TRPV4蛋白は小腸上皮細胞基底膜側に局在することが確認された。
2)ラット小腸上皮細胞株IEC-6単層培養系による透過性の評価(経上皮電気抵抗):ラット小腸上皮細胞株IEC-6培養をトランスウェル内で単層培養し、コンフルエント状態まで培養した後に、トランスウェルの上層および下層間の電気抵抗をモニターし、電気抵抗を測定することができた。この系の下層(基底膜側)に非選択的NSAIDsであるインドメサシンを添加すると経上皮電気抵抗が約40%減弱する(透過性亢進)。さらに下層(基底膜側)にインドメサシンと共にと共に特異的TRPV4阻害剤(RN1734)添加すると電気抵抗は回復した。すなわち、インドメサシンによる上皮細胞の透過性亢進の一部はTRPV4を介して惹起されることが推定された。
3)ラット小腸上皮細胞株IEC-6 を用いたTRPV4 siRNA導入細胞による検討:ラット小腸上皮細胞株IEC-6 にTRPV4 siRNAを導入し、上記同様に単層培養系を用いてトランスウェル上層および下層間の電気抵抗をモニターし、下層にインドメサシンを添加しても経上皮電気抵抗の減弱は起こらず、小腸上皮単層培養系でのインドメサシンによる透過性亢進はTRPV4を介することが確認された。

以上から、今年度の研究計画目標であった非選択的NSAIDsインドメサシンによる小腸上皮細胞の経上皮電気抵抗の減弱(透過性亢進)はTRPV4を介することが確認できた。


(2)温度感受性遺伝子導入動物カハール細胞を用いた消化管間質腫瘍の悪性化機序

基盤研究(C) 2013-04-01 ~ 2015-03-31

温度感受性増殖特性を示すSV40抗原遺伝子導入動物を用いて、GISTが発生する胃、盲腸カハール介在細胞を抗体ソーティング法により分離した。c-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子導入すると培養条件を37℃に戻しても細胞は死滅せず継代して増殖できた。変異遺伝子導入GIST細胞をmicroアレイを用いて細胞内情報分子を検討した。胃由来c-kit遺伝子変異導入細胞では8遺伝子の増幅および7遺伝子の低下、回盲部由来c-kit遺伝子変異導入細胞では11遺伝子の増幅および8遺伝子の低下を認め、遺伝子発現プロフィールは全く異なっていた。これらは悪性度に関連する分子の可能性が高く、次研究に発展できる。


(3)クローン病と関連する新規ヘリコバクター属の同定

萌芽研究 0000-00-00 ~ 0000-00-00

クローン病と潰瘍性大腸炎は最近の食生活の欧米化等と相まって我が国でも急増している難治性疾患である。病理学的検討からクローン病では特徴的肉芽腫形成など古くから病原微生物感染との関連が推定されてきた。病態形成に関わる宿主免疫応答等の解析が進み、抗TNF-α抗体などの抗炎症治療が著しい臨床効果を発揮しているものの、しかしクローン病と潰瘍性大腸炎の病因論的検討は全く進展していない。近年、潰瘍性大腸炎にはある種の細菌感染が関連し、3種類の抗生剤治療により、その一部の患者が緩解することが報告されている。
他方、クローン病については、このような試みは全く進展していない。最近、マウス腸管から同定されていた細菌Helicobacter muridarum (H.muridarum)がヒト大腸癌細胞のToll-likereceptor5を介してアポトーシス関連CARD15/Nod2遺伝子の活性化、NF-kB活性化作用を有することが明らかにされてきた。ヒトクローン病でも同様のCARD15/Nod2遺伝子活性化、NF-kB活性化作用のあることが報告されているので、H.muridarumヒトホモログが同定できると、この類似細菌はクローン病関連の新規病原細菌となる可能性がある。そこでクローン病患者の腸内細菌からλgt-11ベクターを用いて細菌遺伝子cDNAライブラリーを作成し発現させた。その後、H.muridarum16S ribosomal RNAプローブを用いてスクリーニングした結果、約40種のハイブリダイズする遺伝子断片がスクリーニングされている。そのすべての遺伝子断片の配列を解析中にあり、まもなく、そのすべての情報が得られる。その結果、データベースにある既知の遺伝子との相同性を検索することによって、新規病原細菌の候補細菌が選択できる。さらに感染性腸炎患者の腸内細菌からもcDNAライブラリーを作成し、同様にH.muridarum16S ribosomal RNAプローブを用いてスクリーニングし、その疾患特異性についての検討も同時に進行し解析途上にある。