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研究者詳細情報
研究者 才川 清二
大学 富山大学 都市デザイン学部材料デザイン工学科
研究室名 素形制御工学
専門分野 金属・資源生産工学 軽金属 材料工学 鋳造工学 生産工学
研究テーマ ・マグネシウム合金の耐熱性
・Al-Li合金
・アルミニウム合金(Al-Si-Mg合金, Al-Mg-Si合金など)の改良
・Al合金ならびにMgダイカスト材の熱処理(T5処理・T6処理)の研究
検索キーワード
圧延 / 加工性 / Al-Li / アルミニウム / リチウム / 鋳型製作 / 鋳造 /AL-Li合金 / 薄板材 /成形性 / 高強度
PR URL http://www.sei.co.jp/company/press/2017/11/prs109.html
PRタイトル名
PR詳細文 (図) 我々の研究室では,軽金属材料を中心とした素形材分野における鋳造,凝固に関する研究を積極的に推進しています。地球規模で危ぶまれている環境破壊と地球温暖化の抑止に貢献すべく,とくに航空機や輸送車両の軽量化を効果的に達成可能な,実鋳造用軽金属材料・合金等の研究と実際の工業部品を具現化する新規成形法・プロセスの開発に注力しています。  「実用に帰さねば工学に非ず」を標榜し,これを実践すべく,自動車や航空機分野を中心とした関連企業との共同研究・開発を複数社と絶えず実施しています。加えて,協会,学会等の研究委員会,部会活動にも複数参画するなどして,国内の輸送車両・航空機分野を主体とした素形材分野の工業的・技術的進展の支援も行いつつ,同分野で活躍できる人材の育成と輩出を研究室全体で進めています。  アルミニウムおよびマグネシウム材料等の軽金属材料や鋳造,成形,熱処理などの実部品製造に関するご相談等に加えまして,新たな製品,部品等の創出に向けた高品質,高強度,高靭性の合金改良,新規開発や成形,鋳造,熱処理,型造形(砂,金型,精密鋳造)工程の改良,開発に至るまでを,主たる研究分野としておりますので,これらに関するご相談等は何時でも気軽にご連絡ください。
特許

出願番号:2013-085330 / 特開番号:2014-205897 / 登録番号:6083521

Al-Li系合金の製造方法

【課題】不純物の混入が少なく、優れた金属組織を得るのに効果的でリチウム成分量が安定したAl-Li系合金の製造方法の提供を目的とする。

【解決手段】クロム系鋳鋼からなる鋳造坩堝であって、少なくとも溶湯が接触する部位が鋳肌のままの坩堝に、リチウム以外の、アルミニウム又はアルミニウム合金を溶解するステップと、リチウムに対して不活性である不活性ガス雰囲気下で、リチウム又はアルミニウム-リチウム母合金を添加溶解するステップとを有する溶湯を用いて鋳造したことを特徴とする。


論文

(1)Age-hardening behaivior of Mg-Al-Zn alloys produced by sand mold casting

Seiji Saikawa, Yuhei Ebata, Kiyoshi Terayama, Susumu Ikeno, Emi Yanagihara

Materials Science Forum 783-786 467 - 471(2014)


(2)自動車軽量化に向けたマグネシウム合金鋳物の開発動向

才川清二

軽金属 (軽金属学会 ), 60 (11), 571-577 (2010)


(3)マグネシウム合金のダイカスト技術

才川清二

金属 (アグネ技術センター), 80 (8), 668-671 (2010)


(4)耐熱マグネシウム合金の自動車分野への適用

才川清二,山口友康

工業材料 (日刊工業新聞社), 59 (7), 57-61 (2011)


科研費

(1)高品質Al-Li合金の鋳造法研究

基盤研究(C) 2015-04-01 ~ 2018-03-31

3年計画の中の2年目である本年度における研究目標は,「Al-Li-Cu-Mg系合金製作条件の抽出と成形性および時効硬化特性の調査」であり,これを達成するための具体的な目標は,①3元系および4元系合金の作製,②圧延成形性の調査および③時効硬化特性の検証であった。以上の①~③の実績を以下に概説する。
①2元系合金はAl-0,1,2,4%Li系合金の4組成を2鋳物づつ,3元系合金はAl-0,1,2,4%Li-2%Mg系合金の4組成を2鋳物づつ,ならびに4元系はAl-0~4%Li-2%Mg-2%Cu系の4組成を2鋳物づつ,それぞれ鋳造試験により前期にて製作して,品質評価を行い試験に供せれる事を確認した。(達成率100%)
②圧延成形性の調査は,上記の中で2元系,3元系,4元系の4種類の鋳物の内,各2組成の鋳物についてのみ冷間圧延での成形性(展延性,割れの有無や組織の状態など)を評価した。各元系合金の残りの2組が評価未実施であり,翌年(最終年度のH29年度)に繰り越しとなった。(達成率50%)
③時効硬化特性の調査は,上記②について,溶体化時効処理を行い,200℃の人工時効における硬さの時効硬化曲線取得と一部組織のTEM(電子顕微鏡)観察までを行った。(達成率50%)
以上①~③を総括すると,当初の計画(2年目計画)の目標に対して,約70%弱の計画達成率((100%+50%+50%)/300%=67%の達成率)となり,30%強程度の未実施部分が来年度へ持ち越しとなった。挽回策として,鋳造速度と効率の高い350tonダイカスト鋳造機を本年度末1月に学内に導入設置するなどしており,最終年度の計画見直し,改善と効率化とも併せて,最終年度(H29年度)にて,当初の研究計画の目標を達成する予定である。


(2)加工成形性に優れる高強度Al-Li合金製造技術の開発

JST 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) FSステージ 探索タイプ 0000-00-00 ~ 0000-00-00

Al-Li合金はLiが活性な為、通常の鋳造法では溶融状態で他の元素と化合物を形成し、これが加工性の著しい低下を招いていた。これを解決すべく本研究では、合金溶製と鋳造工程の研究を行い、特殊材質のるつぼ並びに新たな鋳造技術と諸条件を用いることで、これまでに無い健全な鋳物(鋳塊)が得られる技術を初めて確立した。この新規鋳造法によるAl-2%Li-2%Cu-1.5%Mg-0.1%Zr(質量%)合金鋳塊は、複数パスにて90%圧延を行っても、従来のような割れ欠陥の無い、展延性に優れた薄板材が成形可能となり、その効果は極めて有用と判断し、今年度初頭(平成25年4月16日)で特許出願(特願2013-085330)した。